賞与の計算方法について解説!金額の決め方から社会保険料の間違えやすいポイントまで詳しく説明
2023.02.27
給与計算
賞与は、給与と違い、金額の決め方に悩む経営者が多く、また、計算でも、給与計算とは異なる独特の方法のため、間違えやすいため注意が必要です。
【 目 次 】
賞与の決め方
賞与とは、毎月支給される給与とは異なり、年に数回、臨時で支給される賃金のことです。一般的にボーナスとも呼ばれます。
【賞与の決め方】
1.賞与の種類・回数を決める。
賞与には、
・特定の期間の成績を評価し、支給する夏季賞与や冬季賞与
・決算のときに、業績に応じて、利益を分配する決算賞与
などがあります。
賞与は、社会保険料の計算のために、多くても年3回までにしましょう。
2.賞与の支払日と、その評価期間を決める。
いつからいつまでに評価した金額を、毎年何月何日に支払うのかを決めます。
3.原資を決める。
全員分の賞与の原資として、いくらまで払えるのかを決めます。
例:税引き前利益の●%、予算達成した場合●円など
4.個人への支給金額を決める。
個人への支給金額の決め方です。どれか1つでも、複数の組み合わせでもよいです。
- 会社の業績
必ず決まった金額を支給しなければならない給与とは異なり、会社の業績が良ければ、その時に多く分配し、仮に業績が悪ければ、調整できることで、従業員のモチベーションを上げる効果があります。 - 個人の人事評価
評価結果を金額に反映することで、従業員のモチベーションを上げる効果があります。 - 基本給など給与
基本給の●ヶ月分とする方法です。これまでの評価結果が基本給に反映されている場合に有効な方法です。 - 勤怠結果や、仕事に対する姿勢
成績はイマイチだけど、勤務態度がよい従業員のモチベーションを上げる効果があります。
賞与の計算方法
1.賞与支給額を決定
2.社会保険料の計算
賞与における社会保険料は賞与支給額に「社会保険毎に決められている一定の料率」を掛けて計算します。
毎月の給与計算では標準報酬月額表に基づく一定額を控除しますので、賞与と給与では計算方法が異なります。
社会保険ごとの計算方法を見ていきましょう。
例:賞与支給額が710,760円の場合
保険料率は、2023.1時点の石川県の料率で試算
厚生年金保険料 18.3%(従業員負担分 9.15%)
健康保険料 9.89%(従業員負担分 4.945%)
介護保険料 1.64%(従業員負担分 0.82%)
雇用保険料(一般)1.35%(従業員負担分 0.5%)
2-1)厚生年金保険料
厚生年金保険料は賞与支給額の1,000円未満を切り捨てて計算します。
【計算例】
710,000円×9.15%=64,965円
注意点:厚生年金保険料の賞与額の上限は150万円になります。
賞与支給額が150万円を超える場合は150万円に料率を掛けて計算します。
2-2)健康保険料
健康保険料は賞与支給額の1,000円未満を切り捨てて計算します。
【計算例】
710,000円×4.945%=35,110円
2-3)介護保険料
介護保険料は賞与支給額の1,000円未満を切り捨てて計算します。
【計算例】
710,000円×0.82%=5,822円
注意点:賞与支払月に40歳になる従業員は、介護保険料控除の対象となります。
2-4)雇用保険料
雇用保険料は支給額そのものに料率を掛けて計算します。
【計算例】
710,760円×0.5%=3,554円
3.所得税の計算
1で計算した時間数を基に、総支給額の計算を実施します。
4.振込・給与明細の準備
給与の振込とは別に振り込みます。
明細も、給与明細とは別に、賞与の明細を準備します。
賞与計算の間違えやすいポイント
1.産前産後休業、育児休業の対象者
社会保険料免除対象者なのに、保険料が控除されていないか?
2.退職月に賞与が払われた。もしくは、退職後の月に賞与が払われた。
社会保険料の控除が必要ないのに、保険料が控除されていないか?
3.雇用保険料率、社会保険料率が変更になった。
保険料率が変更前、変更後、どちらが正しいのか?
賞与支払後の手続きや届出?
社会保険の被保険者は、賞与支給日以後に、賞与支払届の手続きが必要です。
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