院長先生が従業員から相談があると言われたら?うまく話を聴くための注意点・NG行為などを解説

2023.04.24

ハラスメント

 
松林 大樹 コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。

従業員から相談があると言われた場合、うまく話を聴くことが必要不可欠です。
しかし、その場で受け入れること自体が精神的に大変であることもあり、どうすればいいのか悩むこともあるでしょう。
そこで、この記事では、話を聴く際に心がけるべきことや、役立つ傾聴スキルなどを、わかりやすく紹介していきます。また、よくありがちなNG行為についても触れます。
是非、参考にしていただければ幸いです。

【 目 次 】

  1. 声をかけられたときの対応
  2. 話を聴く際に心がける事
  3. 役立つ傾聴スキルとは?
  4. NG行為

声をかけられたときの対応

  • その場で聴かない。忙しさを感じさせない。面倒くさそうにしない。その場では、改めてゆっくり話を聴くための日時を決める。
  • 場所は、人の出入りがない落ち着いて話が聴ける場所を用意する。
  • 事前に就業規則の懲戒条文・服務規律・退職の条文などに目を通しておく。

話を聴く際に心がける事

  • 問題が発生していた場合、すぐに解決案を提示したり助言したりしない。
  • あくまで最初は事実を確認する事に徹する。
    例:人間関係で悩んでいる。
      □誰との関係で?
      □いつから?
      □何があったのか?
      □その前後に何かなかったか?
      □出来事を証明してくれる人はいるか?
      など
  • 今後の対応について、本人がどうしたいのか?希望を聞く。

役立つ傾聴スキルとは?

ミラーリング鏡のように相手に合わせる。

・姿勢

・振る舞い

・声の調子

・言葉遣い

・話すスピード
相づち5つの相づちを使い分ける

1 同意の相づち
  「はい」「ええ」「なるほど」

2 感嘆の相づち
  「へぇ」「驚いた」「すごい」

3 疑問の相づち
  「本当に?」

4 話の先を促す相づち
  「それでどうなった?」

5 自分の意見を表す相づち
  「私も同じ意見です」
積極的傾聴法1 相手のキーワードをタイムリーに繰り返す。

2 相手の言いたい事を要約して、確認する。
反映的傾聴法共感を示す。
質問3つの質問を意図・目的に応じて使い分ける

1 閉鎖型質問
 「はい」または「いいえ」で答えが出る質問

2 選択型質問
 「AとB、どちらがいいか?」など選択肢から回答する質問

3 開放型質問
  自由に回答する質問 
承認・勇気づけ相手の存在や肯定的な意図に焦点をあてて承認する。

NG行為

  • 十分に話を聴かず、院長先生がほとんど話をしている。
  • 従業員から頼まれてもいないのに、助言をする。
    解決策を出そうとする。
  • 十分に質問し、事実確認をしていないにもかかわらず、推測で判断する。
  • 怒る。
  • 従業員が希望していないのに、解決に向けて動き出す。

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