企業が実践すべき!同僚間パワハラ防止のポイントと改善策

2024.03.26

ハラスメント

 
松林 大樹 コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。

この記事では、同僚間のパワハラ事例や対処法、あなたの会社が同僚間のパワハラ防止に取り組むべき理由や、取るべき対策と予防法などについても解説しています。
この記事を読めば、同僚間のパワハラ問題に対処し、健全な人間関係を築くための具体的な方法を学ぶことができます。是非、最後までお読みいただき、パワハラの防止や対策にお役立てください。

【 目 次 】

  1. パワハラは同僚間でも起こる?同僚間のパワハラ事例
  2. 会社が取るべき同僚間パワハラ対策と予防法
  3. 同僚間パワハラ問題の解決と今後の人間関係を築くためのまとめ

パワハラは同僚間でも起こる?同僚間のパワハラ事例

職場でのパワハラは、上司によるものだけでなく、同僚間でも起こります。同僚間のパワハラと認定されるための要素としては

  1. 行為の性質と内容
    言葉による攻撃: 侮辱、脅迫、名誉毀損、過剰な批判など。
    行動による攻撃: 無視、社会的排除、仕事の適正な範囲を超えた押し付け、業務の妨害など。
    心理的攻撃  : 脅迫、威圧、恐怖を感じさせる行動など。
  2. 行為が継続的かつ反復的であること
    パワハラと認定されるためには、一度限りの出来事ではなく、継続的かつ反復的に行われることが一般的な要件です。ただし、一度の行為が非常に重大である場合には、パワハラと認定されることもあります。
  3. 職場環境への影響
    行為が職場の雰囲気を悪化させ、他の従業員にも悪影響を与える場合、パワハラと認定されやすくなります。
  4. 被害者の精神的、肉体的健康への影響
    被害者が精神的、肉体的な健康被害を受けている場合、その行為はパワハラと認定される可能性が高まります。
  5. 労働者としての地位の乱用
    特に、上司から部下へのパワハラが多く認識されていますが、同僚間でも、職場内の非公式な権力構造や影響力の差を利用した行為はパワハラとみなされることがあります。
  6. 行為の意図や目的
    被害者を職場から追い出す意図、業務上の不利益を与える意図など、行為の背後にある意図や目的も評価されます。
  7. 業務上必要かつ相当な範囲
    社会通念に照らして、業務上必要な範囲を超えた言動であったかも評価されます。

パワハラの認定に当たっては、これらの要素を総合的に評価し、具体的な事例の内容や職場内の状況に即して判断されます。職場におけるハラスメントの防止と対処には、これらの要素を踏まえた適切な制度や取り組みが不可欠です。

【同僚間のパワハラ事例】

  1. 過剰な仕事の押し付け: 特定の同僚に対して、適正な範囲を超えた量の仕事や、明らかに遂行不可能な締め切りでの業務を押し付ける行為。
  2. 仕事の妨害: 故意に情報の提供を遅らせたり、必要な資料を提供しないことで、特定の同僚の仕事の進行を妨げる行為。
  3. 無視や社会的排除: 特定の同僚を会話や活動から意図的に除外し、孤立させることで精神的苦痛を与える行為。
  4. 過度な監視: 理由なく特定の同僚の仕事を過度に監視し、プレッシャーをかけ続けることでストレスを与える行為。
  5. 個人的な攻撃: 同僚の人格、私生活、または外見に対する不適切な批判や中傷。
  6. 性別、人種、宗教等に基づく差別的言動: 性別、人種、宗教、国籍などに基づく差別的なジョークやコメント。
  7. 脅迫: 仕事上の地位や関係を利用して、特定の同僚に対し、仕事上での不利益をちらつかせる行為。
  8. 過度な批判: 仕事のミスや成果に対して、建設的でない形で過度に批判し、公開の場で恥をかかせる行為。
  9. 専門性を否定する行動: 特定の同僚の専門知識や経験を無視し、その能力を低く評価することで、自信を損なわせる行為。
  10. 威圧的な態度や言葉遣い: 高圧的な態度や声のトーン、脅迫的な言葉遣いを使って、特定の同僚を恐怖に陥れる行為。

会社が取るべき同僚間パワハラ対策と予防法

会社が取るべき同僚間のパワハラ対策と予防法は、以下の通りです。

  • 社内のパワハラ防止ポリシーの明確化
    従業員に対してパワハラの定義や具体的な禁止事項を明確に伝えることが大切です。
  • 社内研修やセミナーの実施
    パワハラ防止の研修やセミナーを定期的に実施し、従業員の意識を高めることが効果的です。
  • 社内相談窓口の設置
    社内に専門の相談窓口を設置し、パワハラ被害者が安心して相談できる環境を整えましょう。
  • 人事制度の見直し
    評価制度や昇格・降格制度を見直すことで、パワハラを防止する環境を作ります。
  • 状況把握と定期的なフォローアップ
    職場の状況を把握し、定期的にフォローアップを行うことで、問題がある場合は早期に対応できます。
  • 従業員のストレスチェックの実施
    定期的に従業員のストレスチェックを実施し、パワハラの兆候を早期発見しましょう。
  • 適切な対応と厳正な処分
    パワハラが発覚した場合、速やかに適切な対応を行い、必要に応じて厳正な処分を行いましょう。
  1. 企業のパワハラ防止ポリシーと教育研修の重要性
    企業のパワハラ防止ポリシーは職場環境改善のために必要であり、教育研修も効果的な対策の一つです。
    その理由は、パワハラは業務上の問題だけでなく、従業員の精神や身体に影響を与える事があることです。
    具体的な例として、いじめや嫌がらせがある職場では労働者の退職率が高くなる傾向があります。この状況を改善するためには、会社側がパワハラ問題の対策を考え、実践することが求められます。
    具体的な対策として、社内でのハラスメント対応窓口の設置や、教育研修の実施が挙げられます。
    これにより、従業員が安心して相談できる環境が整い、問題が早期解決へと繋がります。
    また、教育研修での具体的な事例を学ぶことで、従業員がハラスメント問題の重要性を理解し、職場での配慮が向上するでしょう。
  2. 職場でのハラスメント問題対応の意識改革
    職場でのハラスメント問題は、企業が意識改革に取り組むことで改善できます。具体的には、人事部門や上司が率先して従業員をサポートし、問題の早期解決に努めることが重要です。
    意識改革のポイントは、ハラスメントがある事を認識し、それが職場の環境や労働者の健康に悪影響を与えることを理解することです。
    具体的には、従業員からの相談や助言に耳を傾け、柔軟な対応を心がけることが求められます。
  3. 人事や上司が示すべきリーダーシップと職場の健全化
    人事や上司が示すべきリーダーシップとは、職場の健全化に対する取り組みや、従業員に対する配慮であります。
    具体的には、上司が率先してコミュニケーションを取り、部下の悩みや問題に対処することが重要です。また、人事担当者が従業員の働きやすさを考慮した人材管理を行うことも、職場環境の改善に繋がります。

同僚間パワハラ問題の解決と今後の人間関係を築くためのまとめ

同僚間のパワハラ問題の解決には、企業のパワハラ防止ポリシーや教育研修、意識改革、リーダーシップの示し方などが重要です。これらを実践することで、職場環境の改善や労働者の健康を保護することができるでしょう。
また、当事務所では北陸3県を中心に、WEB会議システムで全国対応しています。ぜひ、お困りの際はお気軽にご相談ください。

関連記事