男性版育休制度(産後パパ育休)のために会社が必要な対応とは??
2023.02.20
就業規則

男性版育休として、マスコミにも取り上げられた制度が2022年の法改正で開始されました。
男性版育休、出生時育児休業、産後パパ育休と呼び名も色々あり、(以後、「産後パパ育休」とする)制度も複雑で、制度を十分に理解し、運用することが難しいという声もよく聞きます。
本記事では、制度の概要、申し出のタイミング、分割取得する方法、産後パパ育休中での就業など、会社が必要な対応について詳しく解説します。
ぜひ、本記事を一読し、難しい産後パパ育休の導入促進にお役立てください。
【 目 次 】
産後パパ育休の制度の概要
取得可能日数 | この出生後8週間を経過する日の翌日までの間に、最大4週間(28日)取得可能。 |
分割取得 | 2回まで分割可能。 (初回に、まとめて申し出る必要あり) |
申出期限 | 原則、休業の2週間前まで。 (労使協定を締結し、一定の措置を講じることで、1ヶ月以内までの申出に変更可能) |
休業中の就業 | 労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で、就業可能 |
申出のタイミングはいつまで?
申出の期限は、原則、休業開始の2週間前までです。
労使協定を締結し、雇用環境の整備など、法律の内容を上回る取り組みの実施を講じた場合は、1ヶ月以内の期間を申出の期限とすることが出来ます。
男性でも、従来の育児休業を取得することもでき、育児休業の申出を選択することもできます。
分割取得するには?
1.産後パパ育休は、従業員が申出ることで、2回に分割して取得することができます。
2.申出は、分割取得する分も含めて、初回にまとめて申し出る必要があり、申出をそれぞれ2回に分けることはできません。
産後パパ育休 | (参考)育児休業 |
分割して2回取得可能 (初めにまとめて申出必要) | 分割して2回取得可能 (取得の際、それぞれ申出必要) |
産後パパ育休中、就業するには?
産後パパ育休中は、労使協定を締結し、従業員が就業を希望することで、一定の範囲、就業させることができます。
【就業の範囲】
産後パパ育休中の就業可能日数および就業可能時間、その他の条件は下記のとおりです。
①就業日数の合計が、産後パパ育休中の所定労働日数の半分以下
(1日未満の端数は切捨て)
②就業時間の合計が、産後パパ育休中の所定労働時間の合計の半分以下
③休業開始日、休業終了日を就業日とする場合、その日の所定労働時間数未満
【就業申出】
就業するにあたって、
①就業することができる日
②就業可能な時間帯
③その他の労働条件
を会社に書面で申出る必要があります。
【注意点】
項目 | 注意点 |
給付金 | 産後パパ育休中、条件を満たさない場合、給付金が支給されない可能性があります。 ①給付金の対象となるのは、産後パパ育休期間中の就業日数が下記の水準以内である場合です。 産後パパ育休を28日間(最大日数)取得する場合は、10日(10日を超える場合は、80時間)。これより短い場合は、それに比例した日数または時間数。 ②産後パパ育休期間中に就業して得た賃金額と給付金の合計が、休業前賃金日額×休業日数の80%を超える場合は、超える額が給付金から減額されます。 |
社会保険料免除 | 令和4年10月以降に開始した育児休業期間中の社会保険料免除については、「14日以上」の日数には、産後パパ育休の休業中の就業の仕組みにより、原則就業した日数は含まれません。 |

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