【2023年4月中小企業に適用開始】月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に
2023.02.10
法改正・変更

2023年4月より、中小企業でも、月60時間を超える時間外時間の割増賃金率が、
現行の25%から50%に改正されます。
この記事では、改正の内容を詳しく説明し、時間外時間の割増賃金率の計算方法、
残業と深夜労働が同時に発生した場合、企業がとる対応策などを解説します。
本記事を読むことで、中小企業の時間外時間の割増賃金率に関する最新情報と
対応策をおさえることができます。
【 目 次 】
改正の内容
2023年4月1日より、中小企業の60時間を超えた時間外時間に対する割増賃金率が50%になります。
(出典)厚生労働省
中小企業に該当するかどうかは、①または②を満たすかどうかで企業単位で判断されます。
業種 | ①資本金の額または出資の総額 | ②常時使用する労働者数 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
上記以外その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
割増賃金の計算例
基礎賃金:340,000円
平均所定労働時間:170時間
時間単価:340,000円÷170時間=2,000円
時間外時間:80時間 の場合
2023年3月31日以前 | 2023年4月1日以後 |
2,000円×1.25×80時間=200,000円 | 2,000円×(1.25×60時間)+(1.5×20時間)=210,000円 |
深夜時間との関係
月60時間を超える時間外労働を深夜(22:00~5:00)の時間帯に行う場合は、
時間外割増率50%+深夜割増率25%=75%となります。
時間外時間60時間以内 | 時間外時間60時間超 | |
時間外時間 | 25% | 50% |
深夜時間 | 25% | 25% |
(法定)休日時間 | 35% | 35% |
時間外時間+深夜時間 | 50% | 75% |
(法定)休日時間+深夜時間 | 60% | 60% |
(法定)休日時間+時間外時間 | 35% | 35% |
企業がとる対応策
- 勤怠集計方法の見直し
時間外時間、深夜時間、休日時間、時間外時間+深夜時間、
休日時間+深夜時間に分けて時間集計している会社は、
時間外時間、深夜時間、休日時間のそれぞれの時間集計を行う。 - 給与計算ソフトの設定変更
時間外時間60時間超の割増賃金率の設定を50%に変更します。 - 就業規則(賃金規程)の見直し
- 時間外時間の抑制
例
☑クラウド勤怠管理システムで、
一定時間数の時間外時間が経過したら、アラート通知を設定する。
☑無駄な事を洗い出し、辞める。

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